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ジャック・アタリの翻訳新刊『危機とサバイバル――21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉』を読了した。著者の他の書物のほうが読み応えある、というのが正直な気持ちだが、ヨーロッパ最高の知性と言われる人の言葉に十分啓発された。また、林昌宏氏の訳は、自分のセンスにフィットしているので、今回も、とても読みやすかった。

 

ジャック・アタリ『 危機とサバイバル――21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉』【ミニマリスト 大移動準備】

 

アタリは、フランスの経済学者・思想家であり、ミッテラン政権の大統領特別補佐官を務め注目を浴びる。2006年刊行の『21世紀の歴史――未来の人類から見た世界』では、サブプライム問題や世界金融危機を予見、サルコジ大統領は、本書の提言に感銘を受け、2007年、仏大統領の顧問委員会として「アタリ政策委員会」を設置、21世紀のフランスを変革するための政策提言をアタリに依頼した。2013年末には政策提言「ポジティヴ・エコノミー45の提言」をまとめた。

 

サヴァイヴするためには、自制心を身につけ、人類学、歴史学、生物学、心理学、ニューロサイエンスなどの最新の叡智を利用する必要があるとした上で、彼が、今後10年に起こるであろう、様々な危機に備えての7つの提言とは、以下の通りである。

1.自己の尊重 未来における自己の主体者であれ
2.緊張感 20年先のヴィジョンを持て
3.共感力 同盟者だけでなく敵の立場で思考せよ
4.レジリエンス 危機はすべて性格が異なり対策も異なる
5.独創性 危機を好機に変えるポジティヴな思考力
6.ユビキタス 根源的な変化・自己表現の変革を恐れるな
7.革命的な思考力 ルールを変革し、世界を変革せよ

我々は、勉強し続け、勇気を持つ必要がある。

 

また、日本語訳の本書では、日本には怒る力、憤慨する能力を不足していると指摘し、「日本の美しき伝統を守り、さらなる発展を遂げるために、明治維新のときのように世界に門戸を開き、革新的に思考し、憤慨するときが訪れたのである」と言及している。私見だが、日本は外圧でしか変われない国であるから、そこを突きたいのだろう。

 

コラム「国家の将来性を見極めるための三つの指標」はとても興味深かった。それは、生命の本質がわかる人口統計、身体の糧である料理、精神の糧である音楽である。うち二つの、料理と音楽については、私も常々感じている、というか、個人レヴェルでも重要視していることだったからである。味覚のセンス、食べ方、料理をするか否かなど、食への意識は、その人と、その先祖のことがわかるチャンスだし、音楽はそれまでの生き方がわかる要素だからだ。アタリは、音がいずれ目に見えるものになるということを『ノイズ―― 音楽/貨幣/雑音 (始まりの本)』でも述べている。

 

「身軽に気軽に移動のできる、創造的な人生を送るため」に、アタリの提言を多いに参考にしたいと思った。

 

 

危機とサバイバル――21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉

 

 
最終更新 09/27/2015 12:22

 

 

ブロガー、選書家、トランスクリプショニスト、書籍企画編集 / Plenitude Interactions LLC / 元音楽レーベル&出版社勤め / ミニマリスト / 在宅・ノマドワーカー / 女性 / 潰瘍性大腸炎(IBD)歴29年 / お気軽にご連絡ください hello@plen-act.com

 
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