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出版大手のKADOKAWAと、インターネットコンテンツ会社のドワンゴが経営統合するそうだ。

新文化「角川歴彦会長、経営統合で「日の丸プラットフォーム作る」」

 

KADOKAWAは、出版社の中では、時代に合っていることををする、最も行動の早い出版社である。だから今回のリーディングカンパニーの動きは、これからの時代に向け、他の、特に中規模の出版社が変わるチャンスになると思っている。理由は二つある。私見たっぷりであることは先にお伝えしておきます。  


Flickr : Monique Wijbrands さん

 

まず、出版社で働く人々の意識改革である。  

 

音楽業界がベースで、出版業界に飛び込んだため、出版社育ちの人と話すと、業界によって「出版」の意味が異なると思うことが幾度となくあった。  もちろん全員が全員でない。

 

本の世界だと、印刷の「版」からきているのか、紙の本でなければ出版物と言えないという人がいた。よって、デジタルの本は出版物ではないという考え方である。しかし、音楽の世界だと、原盤が商売の基本であり、出版は、著作権管理、及び、それがベースとなったできあがった物でビジネスする。英語の、publish(パブリッシュ)、発表するとか、公表するとか、に近い意味合いを持つと私は理解していた。  

 

出版業界の人が言う意味もよくわかるのだけど、英語でその会社のオーナー、即ち、発行人を説明する場合、どうやってもパブリッシャーなわけだから、やっぱり、出版とは音楽業界で言っていることのほうが、近いのだと思う。本は、著作権物、とはいえ著作権が守られるのは出版社が介入しない段階の原稿のみと聞いている、をパブリッシュできるのが出版社の役割というのが、私の持論である。  

 

多くの出版社において、著者と発行人が契約を交わす歴史も20年未満だし、契約書も音楽業界に比べると、びっくりするくらい短い。会社がなくなってしまった時のことなども明記がない。のんびりのどかにやっていたのが、日本の出版業界なのだ。最近は、電子書籍が増えているから、時代に合った雛形がでまわっているけど、印刷の「版」に固執している間に、デジタルの時代を迎えた。  

 

だから、今回の、KADOKAWAとドワンゴの統合は、出版業界の人に、パブリッシュは権利ビジネスであるという意識を植え付けることになるはずだ。  

 

私は、法学部出もないし、このブログでの発言は、経験と直感からくる主観的なものなので、法的に有効かはわかりません。ご了承ください。

 

脱線してしまうけど、おもしろい話しがある。2007年に、メジャーレコード会社に勤める友達が、勤め先の洋楽部門のお偉いさんに「これからは、物の取引から、権利ビジネスの時代だから」と、飲みの席で口を酸っぱくして言われたよーという話しを思いだす。音楽業界で起きたことは、6-7年後に出版業界で同じことが起きるということを感じていたので、彼の話しを興味深く聞いた。  

 

次に、パブリッシュという本来の意味で考えた場合、本もゲームも映像も音楽も、垣根のない時代なのだと思う。  個人でメディアミックスが可能だからである。

 

例えば、個人のブログ。紙の本や雑誌では、製本も印刷も、専門の会社でないと、大抵の場合できないけど、ブログでは、最初は苦労するが、自分で構築し作り上げることができる。ネット上だと、形を作るという意味で、自分が製本屋と印刷屋である。編集者も校正をやる人もブックデザイナーも自分一人だが、パブリッシュができる。  

 

映像も、タブレットで撮って、何かしらの媒体、それは自分のブログなのかもしれないし、YouTubeなのかもしれないが、アップすることができる。  

 

音楽もアプリを使えば作れるらしい。少なくとも、DJはアプリでできるのよ。勿論、音のストックと経験値は必要だけど、つなぎもうまいことできる。  

 

ゲームはわからないけど、きっと作れそうだ。最も、私はテトリスどまりなので、興味はその程度だが。

 

音楽レーベルだって、私のように、人が作ったものでも権利さえ持てば、発表できる。

 

プロにしかできなかったことが、やる気と地道にやる決心さえあれば、誰にでも可能なセミプロの時代だし、根気は必要だけど、自分で生み出す、文章、映像、音楽、ゲームなどを公表して、一人でメディアミックスもできる個の時代でもある。発行者も著作権者も個人。  

 

大きな資本の二社が、これから何をやるのかはわからないけど、小さくて大多数になるだろうパブリッシャーと共存するには、巨大になるのみだろう。

 

出版社が変わる必要がないという意見もある。紙にこだわるべきだという声もある。それはそれで良いのだと思う。たしかに紙の本は、物として所有できるから、所有欲を満たしたい人にはもってこいの媒体である。私も、本を買って読むのは好きである。

 

角川会長は先見の明のある方だから、楽しみである。個の立場から注目していたい。

 

 

 

ブロガー、選書家、トランスクリプショニスト、書籍企画編集 / Plenitude Interactions LLC / 元音楽レーベル&出版社勤め / ミニマリスト / 在宅・ノマドワーカー / 女性 / 潰瘍性大腸炎(IBD)歴29年 / お気軽にご連絡ください hello@plen-act.com

 
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