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紙の本の初読記録です。

 

一言感想、備忘録としてブログを利用します。

 

書評ではありません。

 

1

 

『ベストセラーはもういらない』
秦隆司 著
ボイジャー 発行
978-4862398505
2018/12

 

「返品ゼロ」「読者に直接本を売る」を目指して、2009年にニューヨークで設立されたORブックスという出版社のマネージメントが書かれたノンフィクション。

著者は、ニューヨーク在住の編集者、ジャーナリスト、秦隆司さん。

アメリカの出版システム、本書の主役の出版者であり編集者のジョン・オークスのルーツとバックグラウンド、アメリカ文学界の流れを変えたと言われる出版人バーニー・ロセットとの出会い、自身の出版社経営、書店のビジネスモデルを通し、新しいかたちの出版ビジネスへの挑戦を感じる内容であった。

私の人生には大切なことがたくさん書かれてあって、何度も読み返す一冊になるだろう。

ORブックスでは、当初は、電子本、オンデマンド本、伝統的なハードカヴァー本の3種の発行を行っていたが、2011年からは電子本とオンデマンド本を発行するかたちをとっているそうだ。

創業10年の企業、はばたくのはこれからであるということは読み取れた。

しかし、ジョン・オークスは出版社経営は初めてではないことで企業経営者としての経験があること(出版社勤務をやりながら自身でも出版社経営を行い、他の出版社の手伝い、というポートフォリオ・ワーカーの時代がある。のちに自身の出版社経営だけに専念)、ORブックスが売却されたときには株の価値が上がっていることを望んでいるという出版業はコンテンツが投資物であり資産であるということをブレずにマネジメントされているので、期待は大である。

応援したくなる出版社である。

ところで、本書の内容とは離れるが、本書を通し、気づきというか学びが一点ある。

それはアマゾンがなぜアメリカでうけ、わが国でもうけたかは、アメリカの出版システムと書店ビジネスを把握してこそわかるということだ。

個人的な話しになるが、出版社勤務時代、ある日、ある取次会社(=本の流通会社)経由で、「アマゾン」なるものからファックス注文があり、なんだなんだと思っていたら、業界内の「黒船」だという批判や議論を通り越して、あれよあれよという間に、アマゾンは重要書店の一つになり、本以外の商品も扱うネット販売店になった。

一通販書店が今ではAI業界をリードする企業の一つにもなった。

学生時代から音楽と本の産業に従事していた者にとって、未来予測をするためには、音楽を含めた出版と出版流通のシステムの在り方が有効な材料となっている。

巨大グローバル通販会社が台頭する中、アメリカでも日本でも小さなORブックスのような小規模の出版社が生まれているということは、超巨大か超極小か二者択一が迫られているということだ。

過去に偉い未来学者の先生たちが、未来は巨大か小になるということを提言し、あらゆる業界で本当にその通りになっているのだけど、本書を読み改めて痛感したのである。

これからのビジネスは、超巨大グローバル企業=AI、または、アナログ要素を取り入れた超極小企業だと。

中途半端な規模はなしだ。

アメリカの出版システムと書店ビジネスを知らずして、未来はないと思った。

閑話休題。

著者のあとがきから推測するに、ORブックスのジョン・オークスは控え目で、黒子に徹する出版人で、個人的には大変好感がもてた(長い間出版社で働いていた私はオレオレ編集者が×。業界のサラリーマンをやめた今もオレオレ編集者が本当に×なのだ)。

日本ではもしかしたら有名ではないかもしれないのだけど、マリのトゥマニ・ジャバテや、ジョン・リー・フッカーを聴くところもセンスがよいと思った。

 

 

2019年1月31日に行われた、ジョン・オークス氏の 講演会のもよう。

本書から伝わるそのものの人だった(話し方、声まで!)

私は申し込みをしたのに行けなかった。

 

 

紙の本を読んだらまた初読記録を載せます。

 

 
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