Twitterを久しぶりにゆっくり見て、キングギドラのKダブシャイン氏のツイートをチェックしたら、「KダブシャインがHIPHOPと日本語ラップを熱く語る」に関する件が盛り上がっていた
togetter KダブシャインがHIPHOPと日本語ラップを熱く語る
私はヒップホップが好きである。
理由は、ヒップホップカルチャー全体に文学性を感じること、ビートにリズムに長い歴史を、それはグルーヴとも言うと思うけど、それを感じること、ティーンネイジャーのうちに、当時は大変珍しかった難病にかかってしまったことで性格が卑屈になっていって、コレっと思ったのがアフリカンアメリカン文学だったり、その延長にヒップホップがあったというところだろうか。
周りにはヒップホップが好きと言っていた女友達(ブラパ◯含む)が大勢いたけど、子供がいるなし問わず、一抜け二抜けで、一人を除いて誰もそんな人間はいなくなってしまった。
一人はクラブで(男子と)踊るだけではつまらないと、30過ぎからダンスをはじめ、今もずっと続けているからそれが彼女のヒップホップだ。30才くらい離れた人たちと一緒に発表会をやるって言うから世代の垣根がないのがそのカルチャーとも言える。
大学時代は、その学校では極力授業を取らない方が楽にセメスターが過ごせると言われていた先生のアフリカンアメリカン文学のクラスを受けていた。
当時、シェイクスピアの世界権威と言われた博士で、ユダヤ系のキュートでユーモアがあるおじいさん先生だった。授業をパスするのには本当に苦労したけど、年月が経ち、先生が授業中に言っていた数々の良い教えを私は忘れません…。
この先生のアフリカンアメリカン文学の授業で使用された教科書の一つ、 The Norton Anthology of African American Literature (新版)では、ラップは文学として扱われ、ラップとは、リズム&ブルースやジャズのように、内集団的音楽でありパフォーマンス音楽でありダンス音楽であり、韻踏みの達人の言葉によって披露される音の調べであるという見解。
別途でアフリカンアメリカンヒストリーの授業も取っていたけど、私たち日本人が刷り込みされている「ある人種の人たちが作り上げたアメリカ」とは異なるアメリカの歴史を20代のうちの学べたことは有意義なことであった。
それで、冒頭のKダブシャイン氏…、キングギドラの話しに戻そう。
私はキングギドラの隠れファンだ。
ライヴは、彼らが有名になる以前、六本木のR?hallでたまたま偶然、二年前の6月に下北沢で、だけで見たのだけど、多分日本の音楽グループの中で一番か二番目に好きだと思う。
ヨーロッパ最高の知性がジャック・アタリなら、日本のヒップホップシーン最高の知性はKダブシャイン氏だと断言できるし、生まれながらのカリスマ性と(六本木のR?hallで見た時の印象が強すぎで)統率力があり見せ方の美しいZeebra氏、バンドで言ったらドラムとベースのような実はグループの要に感じるDJ OASIS。
日本人でラップをやっている人は多いし、お気に入りの人たちは他にもいるし、キングギドラには大勢のファンがいることも知っているけど、おしゃれ系コミュニティでも、大学のサークルが軸になったコミュニティでないところから出てきた彼らには、孤高という言葉がぴったりと合った。
陰鬱なサウンドというのがキングギドラの印象だが、クライ音に人は引き寄せられる。私が大好きなアメリカのデトロイトのラップやR&Bのトラックもダークでいい。
その暗さのある場で、韻踏みの達人達の言葉遊びを聴いているのは面白い。面白さの裏側の、日頃の鍛錬は相当なものだろう。
加えて英語も堪能なメンバー三人にも関わらず、ラップをする上で英語に逃げていないと感じるのは私だけだろうか。
統計に詳しい人の話しだと、数学の世界と違って、日本においては英語ができるできないは親が作り上げた環境に左右されることが大きいと言うから、みんながわかる言葉を駆使してメッセージを伝え、高みを目指す。格差を作らないことが、彼らの社会への愛情なのだろう。
活動休止をすることがあったとしても解散することなく存続しているのは素晴らしいことだし、東京生まれ23区育ち、Zeebra氏やDJ OASISと同様のベイビーブーム世代の私としては彼らの活躍が嬉しい。
社会に出てしまうと、東京生まれ東京育ちの人は実はとても少なくて、地方出身勢の価値観、それは大手広告代理店がありとあらゆる媒体を使って生み出す価値観そのもので、それに時々辟易することがあるから。
そんなグループのリーダーであるKダブシャイン氏が、Twitterで「ヒップホップを知らない人のことじゃなくて、昔からこの業界にいる専門のライターたちがもっとヒップホップをレポートするだけでなく理想や可能性を自分たちに置き換えて議論してればオレがこんなことやらなくてもすむんだよ!」と言及しており、これに関しては思うことがあって、この投稿を書くことにしたのだった。
長い投稿になってしまったので、続きはまた後日ということで。
最近発売になったZeebra氏の著書

2017年5月23日から2018年6月までに完了予定で行っていたメニューバーの大工事が2018年5月23日をもって終了しました。現在は、長期に渡って、音楽 / 映画 / 写真 / 美術 のメニューバーの工事を行っております。よろしくお願いいたします。