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知り合いの若者が4月から新しい職場で働くことになった。

 

商工会議所の「老舗企業」の定義に当てはめるとその会社は老舗だ。

 

仕事を探していると聞いた時に、その企業はどうかと、その時にパッと思いついた社名を出したのは何を隠そう私であった。彼が追いかけている目標を達成するために勉強になるのではないかと思った。

 

全く考えていなかったけど履歴書を出してみると、彼は即行動に移した。幸運なことに難関を突破して採用が決まった。

 

よかったよかった。

 

おめでとう、と祝福したのと同時に、老舗の知る人ぞ知る企業で働くことで、これからあなたを色眼鏡で見る人間が大勢寄ってくるから、仕事の説明をした時、業種名を出すのと会社名を出すのとで態度を変える人間はどんどんおさらばすべき、と言うことを話した。

 

加えて、社名で騒ぐ人は間違いなく田舎者だからと。

 

自分が新卒で入った会社は、やはり知る人ぞ知るのブランド企業であった。

 

でも働いていた頃は、ブランド企業とはよくわかってなかったかもしれない。上場していない企業の場合、会社を売った時じゃないと価値はわからないから。

 

学生時代から卒業後の就職先はそこの会社と決めており、一般的な学生が行うような就職活動は一切しなかった。

 

そもそも、通っていた大学は、授業と平行して就職活動をすることは無理なカリキュラムだったので、親族の経営する会社に入社、もしくは、親のネットワークを使って縁故入社をしない限りは、大抵、卒業してから仕事を探したり、とりあえずは派遣会社に登録して、そこから社会人をスタートすることが普通だった。

 

私の場合は、父親が勝手に、何も相談なく決めてきてしまった企業に危うく入社させられそうだった。いくつか候補はあったけど、書類だけ出せばすぐ入れるからという会社が濃厚だった。

 

世間的には名は通っている相当に待遇が良い企業で、十代から男女平等!と叫んでいた娘が問題なく働ける環境であるので動いていたらしいのだけど、入りたい会社があるから父親の行為には反発した。

 

そうこうするうちに、入りたい会社で働くことが決まった。出版社のつもりで入ったのに実際の仕事はレコード会社の仕事がメインだった。かなりハードな仕事内容であったけど、やりたい職種に向かって当面頑張っていこうと決めた。

 

地元(東京中野区)や大学以外のコミュニティは、いくつかの音楽ジャンルのと演者とDJとそれを支える人たちが多い環境だった。そこで働きたいとずっと話していたから、おおよかったねえという祝福を感じる言葉を向けられた。

 

ところが、そのコミュニティの、自分の中でちょっと枠に外れるという人たちの反応は、少し違った。(そこで働けるあなたが君が)すごいね、いいな、羨ましい、俺も働きたい、私も働きたい、紹介してもらえないだろうか、そんなことばかりを言われて不快だった。

 

こういう評価のある企業だとは思わなかったし、すごいのは経営者であるし、人から羨ましがられるのは大嫌いな性分、入社して間もない人間が紹介なんかできるわけないではない、自分が社名に負けているではないか、そんなことを考えた。

 

この件で頭にくることが多かったから就職して、確か一年以内には、何をやっているかと人から訊かれたら、サラリーマン、または、会社員と答えるようになった。これは、その、知る人ぞ知る人たちにも、それ以外の人たち対策に役立った。

 

普通の学生が行う就職活動をやった経験がないし、その会社に入りたくて入っただけなので、業界の位置づけが全くわかっていなかった。

 

レコード会社とか出版社とか名を出すと、人によっては、独特な目つきと口角の上げ方をするのは見逃さなくて、自分が業界名に負けてしまったことを不愉快に感じた。

 

仕事で関わった人たちも控えめな人が多かった。音を作り文章を書く人のおかげで生きているから黒子に徹することを好んでいた。

 

時々、オレオレな人がいたけど、企業内と業界内ではオレオレは勤め人には似合わない。似合うのは出版権利のあるオーナー社長と著作者だけ。

 

業界の人間以前に、ただの会社員でサラリーマンで労働者だ。だから、それでいいんじゃないかと思って、初対面の人にはそう答えるようになった。色々話しをして、仕事の話しになったとしたら、業種を話し、マニアな世界(のちには専門書の出版社に転職するので、専門の世界)の会社であり、そこで名前を話すことにしていた。

 

にも関わらず、それを邪魔をする人間はいた。紹介する時(一緒に働いたことのある人たちならいいんです)、会社名から言う人間が。業界名から言う人間が。

 

本当にダサいわけ。

 

そういう人に限って、権力嫌いのポーズを取っているのに、色眼鏡で人を見るのが大好き。

 

こういう人間が田舎者の位置づけだ。

 

働き先が自分にならないようにするためには、仕事をたくさん持って、職業不明にすることがいいんじゃないかと思っている。

 

ただローンを組みたい場合は勤め先の、直接雇用の働き先があると良い。勤め人の、唯一で最大のメリットはそれだから。勤め先があってたくさんの仕事を持つこと。

 

たくさん仕事を持った上での職業不明という職種であれば、自分の周りには、前述した田舎者が集まらないようになるからストレスを感じないようになる。

 

会社員時代に個人事業主になってしまった私には、何か一つの仕事をやるという行為は、遠い過去のものとなっている。

 

ブロガー、選書家、音楽配信、書籍企画、自由業リモート職・時々外出(Webマーケティング、翻訳、コンサルタント・営業代行) / Plenitude Interactions LLC / 放送大学学生 / 潰瘍性大腸炎 UC IBD 30年、ナルコレプシー、強膜炎 / 哺乳類肉と米と砂糖とお酒は以前にやめた / バターの1日の消費量は100g / HipHop / アフリカンアメリカン文学古書収集家でその手の本をたくさん所有する最小限主義者 / 読書は歴史、人文思想、経済、科学、テクノロジー、外国文学を中心にだいたい100冊以上、最近になりHow-To本も読み物に加わった / 元音楽レーベル&出版社勤め / アイコンは宇野亜喜良氏「妖艶な女帝」 / お気軽にご連絡ください hello@plen-act.com (05/27/2018 最終更新)

 
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