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ずっと見逃していた映画を観た。『パフューム ある人殺しの物語(Perfume: The Story of a Murderer)』、ドイツの作家、パトリック・ジュースキントの『香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)(Das Parfum)』が原作の18世紀が舞台の作品だ。

 

Perfume Movie – Lost Love Scene

あらすじ Wikipedia

 

グロテスクで異常なほどまでに美しい作品だった。映像からは、においがしないのに、パリの悪臭、主人公が生まれた魚市場のにおい、主人公が香りを閉じ込めたいと思ったきっかけとなる女性の、しかも、生きている時と主人公が殺した後のにおい、ブルジョワ層の人々の香り、弟子入りした調香師のラボラトリーの香り、香水の街グラースの自然の香り、香水作りには12種類の香りが必要であるから、主人公が理想とする香水を作るためには12人の女性を殺さなければならなかったが、その死体、髪の毛、それらまでも、想像をかきたてられた。

 

天才的な嗅覚を持つ主人公には体臭がない。においとは存在を表すことだからこそ、彼のにおいへの、しかも、美しく、耽美な香りへの執着が強かったのだと思う。

 

しかし、欲は欲に支配される。五感は五感に征服されると言っても良い。主人公は、最後、食欲に満たされない浮浪者達にあとかたもなく食べられてしまう。

 

ヘレン・ケラーは「においは、私たちを何千マイルのかなたへそしてかつて住んでいた時代へと運んでくれる素晴らしい力をもった魔法使いです」(マーチン・リンストローム著『五感刺激のブランド戦略』より)、そんな言葉を残している。

 

においで世界は変わるとも思えた。

 

嗅覚が敏感な方、文学性のある方におすすめの一本。

 

 

Flickr : iSOBELO olebosi さん

 

 

 

最終更新 07/20/2015 11:16 

 

 

ブロガー、選書家、音楽配信、書籍企画、自由業リモート職・時々外出(Webマーケティング、翻訳、コンサルタント・営業代行) / Plenitude Interactions LLC / 放送大学学生 / 潰瘍性大腸炎 UC IBD 30年、ナルコレプシー、強膜炎 / 哺乳類肉と米と砂糖とお酒は以前にやめた / バターの1日の消費量は100g / HipHop / アフリカンアメリカン文学古書収集家でその手の本をたくさん所有する最小限主義者 / 読書は歴史、人文思想、経済、科学、テクノロジー、外国文学を中心にだいたい100冊以上、最近になりHow-To本も読み物に加わった / 元音楽レーベル&出版社勤め / アイコンは宇野亜喜良氏「妖艶な女帝」 / お気軽にご連絡ください hello@plen-act.com (05/27/2018 最終更新)

 
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