インディゴとシニヨン(一/全二回)からの続きです

腸につながるという例の部分はどんどん白くなっていった。そこまでしなくても、と周囲には呆れられたが、鏡を見るたびに耐えがたく、週末ごと、長くても2週間に一度はヘナを塗りたくっていた。ところが、身を置く環境を変えてみたところ、あんなにせっせと染めなくてもよくなったのだ。明らかに白髪の増えるペースが落ちている。あれはやはり、何かしらのストレスだったのだろうか。

そういえば、フランスやイタリアの映画やファッション誌に出てくる女性たちが、帽子に凝ったり、スカーフを巻いているのも、もしかしたら白髪隠しがもともとなのではないかとも思い始めていた。

それにしても、家でのヘナ染めはなかなかのハードワークだ。髪を洗い、ペーストを作り、手袋をして髪に揉み込む。そのまま一時間近く放置して、また洗い流す。手袋の隙間からうっかり色が入れば手は荒れるし、爪も染まる。美容院でやってもらう手もあるが、ケミカルなカラーリングよりも時間がかかるし、全くリラックスできない。そして、往復の時間を考えると憂鬱になる。結局、家でやる方が気楽なのだ。

一時期は、夜のうちにヘナを塗り、枕元にビニールシートとタオルを敷き詰め、さらに頭にもタオルを巻いてそのまま寝る「寝ヘナ」を試みていた時期もあった。しかし、失敗すると厄介だ。朝起きてシーツにシミを見つけたら洗濯物が増える。

そんなに大変なら、短く切ってしまえばと言われそうだが、そうもいかない。私の髪は太くて量が多く、おまけにコシのあるくせ毛で、中途半端に短いと爆発する。小学生の頃は、母親の趣味でマッシュルームカットだったのだが、膨張する髪質なので、ほんとうにキノコであった。いまだに同級生に言われるくらい。この髪質だと、セミロングからロングの間を保ち、ひっつめてシニヨンにまとめるのが手っ取り早くて楽なのである。

だからこそ、1、2週間に一度のペースで追われていたヘナ染めが、月に一度の行事に落ち着いたのは本当にありがたい。時間、体力、光熱費。どれをとっても助かる。頑固な髪をまとめながら、これ以上増えませんようにと願う毎日なのである。