私の髪は、多い、太い、くせの三拍子が揃っている。長さはセミロングとロングの間あたりで、腰までは届かないものの、結べばしっかりとしたシニヨンができる。おろすと、昔のサーファーカットのような感じ。

団塊ジュニア世代という年齢のわりには、髪の毛の勢いが衰える気配がない。十代の頃からお世話になっている美容室のオーナーに、「昔に比べたら、扱いやすくなったでしょ」と聞いた。でも、オーナーは一瞬無言になり、「そうでもないわねえ」と言った。

これは完全に遺伝である。間もなく卒寿を迎える父も、80を超えた母も、昔に比べて減っているものの、年齢のわりにだいぶ髪が多い。アラフィフの妹にいたっては、ヘルメットをかぶっているように見える。

思い返せば小学生の頃、母の趣味で、私たちは、マッシュルームカットだった。妹はストレートなのでカリメロのように愛らしかった。しかし、私の広がるくせ毛に、マッシュルームは相性が悪く、鏡の中にいたのは少女ではなく、立派なキノコだった。

そんな、毛量との戦いを半世紀近く続けてきた私に、この一週間ほどで小さな革命が起きた。髪の乾かし方の発見である。

私の入浴手順はこうだ。まず頭を洗い、その後に、髪をお団子にし、顔や体を洗う。元気があるときだけ湯船に浸かり、上がったら頭にタオルで巻く。汗が引いた頃にタオルドライをしてドライヤーを当てる。

しかし、いくら風を当てても完全に乾くことなど滅多にない。昔、某姉妹の妹さんが「毎日11分かけてドライヤーを当てる」とテレビで言っていたのを見て真似しようとしたが、11分も腕を上げ続ける体力は私にはなかった。

ところが先日、風呂場に髪ゴムを忘れていることに気づいた。見れば、バレッタもない。仕方なく、お団子にできないまま髪をまっすぐ伸ばした状態でタオルを巻き込み、端をねじり込むようにして留めてみた。洋楽が好きなら伝わるかもしれないが、エリカ・バドゥのあのターバン(バドゥ巻き)のような姿である。

お団子をくずして伸ばしたままタオルに包む。たったそれだけのことなのに、風呂上がりの汗を待つ間にタオルに吸い取られる水分の量が違った。今まで私は、お団子に丸め込むことで自ら湿気を内部に閉じ込めていたらしい。 

お団子をやめるというだけの工夫で、その後のドライヤー作業が楽になった。ロングヘアの人からすれば、何を今さら、という常識かもしれない。皆さん、ご存じでしたか。

とにかく、この発見はうれしい。