今年に入って、アメリカの保健当局が「Eat Real Food(本物の食べ物を食べよう)」という食の指針を打ち出しているのを知った。炭水化物や加工食品に偏らず、タンパク質や野菜を中心にという内容だ。

私の食事ルールと合致しているかはさておき、人類が、タンパク質を追い求めて生きてきたことを思えば、理解できる。

スーパーの棚に並べられている食品は、人間の栄養摂取のためではなく、企業のために存在する。海外から入ってくる食材にも、国同士の事情がある。その中から、生き延びるための栄養を買うには、それなりの用意が要る。私の場合は、食材を買うとき、タンパク質100グラムあたりの値段を考える。

世間では、大豆製品がタンパク源だともてはやされているが、私は、大豆製品を贅沢品だと思っている。もし、なんでも食べられるからだであったなら、牛や豚といった栄養価の高い哺乳類の肉、チーズを買う。そのほうが、タンパク質の量と値段を比べたとき、安い場合があるからだ。

パスタもそうだ。デュラムセモリナ粉は、米よりもタンパク質の含有量が高い。炭水化物、と一括りにしていると、栄養が見えづらい。

栄養については、文部科学省の「食品成分データベース」で見ることが多い。検索してもいいけど、たいてい国が発表した数字をもとにしている。

私は、水を飲み、塩分やタンパク質、決めた野菜を摂るというルールを続けている。陸の哺乳類の肉は口にしない。だが、見返りはある。食事の内容を変え、塩分やタンパク質を多めにしてから、十代前半以降の日中の強い眠気にも変化があった。

かつての私がそうだったように、心身が満たされていないとき、人は酩酊を求める。酒を飲み、その酔いを共有するために誰かと一緒にいたがる。それから、人によっては糖質。私はお酒をほとんど飲まないが、小麦粉製品に走ることがある。タンパク質が足りていない時に多い。

人間は、栄養と睡眠、そして排泄が確保されていると、穏やかになるのではないか。

食は大切なのである。