『人は見た目が9割』という本が売れた時代があったが、大人の第一印象は、もっと単純なのではないか。
結局、髪のまとまりと眉毛なのだ。
若い頃なら、少し乱れた髪やくせ毛も無造作な魅力で済んだかもしれない。だが、大人になってからの無造作は、下手をするとお疲れ気味に見えてしまう。私は、くせ毛なら潔く短く切るか、ひとつに結ぶくらいが、一番きれいに見える。ソフィア・ローレンのような髪に憧れても、自分の手だけで近づけるには限界がある。勝負の日くらいは、黙って美容師さんに頭を預ける。私自身、量が多く太いくせ毛なので、髪には少々うるさい。18歳から三十年以上通う美容師さんにも、毎回苦労をかけている。
学生時代までは、渋谷や原宿を歩いているだけで、いつの間にかストリートスナップの被写体になっていることがあった。「その髪、どこでやったんですか」と声を掛けられることも少なくなかった。この話は、またいつか。
そして、眉毛。ここにもその人の今が出る。描く前に必要なのは、普段のお手入れである。まずは眉毛サロンへ行ってみてもいい。プロの仕事を知り、土台を整えてから、初めて描く作業に入るのだ。昔雑誌で読んだ、メイクアップアーティストの藤原美智子さんの教えを参考に整えたこともあるが、プロの眉には理屈がある。
モデルや女優さんが美しいのは、写真を撮られる機会が多いからではないかと思う。客観的に自分を見る時間が、人よりずっと長い。実は私は、メイク後の自分や、話している姿を毎日写真に収めよう、と思っているのだが、次の日には忘れてしまう。年齢や性別に関係なく、写真や動画で「他人の目に映る自分」を直視する習慣を持てば、少しずつ変わっていくはずだ。鏡の中のキメ顔ではなく、動く自分を確かめること。
洋服も大事だが、印象を決定づけるのは結局、首から上の始末だ。清潔感という目に見えない気配は、高価な服を着ることではなく、自分のパーツと向き合い、整えるための小さな手間なのだろう。
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社会現象にもなった竹内一郎さんの『人は見た目が9割』(新潮社)
藤原美智子さんのMICHIKO.LIFE「エッセンスブロウペンシル レフィル ナチュラルブラウン」
